●80万円は貯金できるはずなのに生活ギリギリ、教育費の準備ゼロ!

 今回は公務員の夫を持つ30代のRさんから、3500万円の一戸建てを購入できるかどうかのご相談です。早速、現在の家計の状態を見ていくことにしましょう。いただいたデータが大まかであることから、推測を交えた試算、ならびに回答になることをご承知おきください。

 現在、Rさんの夫は年収600万円強、Rさんご自身のパート収入は年間90万~96万円です。ここでは夫の年収600万円、Rさんの年収90万円と仮定します。また、Rさんは夫の扶養の範囲内ですから、夫の手取り額を500万円として、合計の手取り額は590万円とします。

 相談に記載はありませんが、Rさんには3人のお子さんがいるのですから「児童手当」を受け取っているはずです。公務員の場合、勤務先から児童手当が支給されることから夫の年収に含まれているとここでは考えます。

 月々の支出は「おそらく30万円は超える」とのこと。31万円なのか32万円なのか定かではありませんが、お子さんが3人いることを考慮すれば、少なくとも予想を1割以上上回る33万円は使われていると思われます。単純に12倍すれば年間の支出は396万円となり、年間の手取り額590万円から396万円を差し引くと、黒字額は194万円。つまり、毎年200万円弱は、貯蓄に回っていてもおかしくはありません。

 しかし、貯蓄は今年2月まで毎月1万円、ボーナスからも年2回、それぞれ5万円です。給料天引きで支払っている学資保険は、お子さん2人分の合計で2万円弱です。これらを合算すると貯蓄22万円と学資保険24万円で合計46万円でした。

 194万円の黒字額から46万円を差し引くと148万円になります。そこから毎月、車のローン2万3000円、バイク6000円の合計2万9000円、年間34万8000円を返済したと考えても、残りは113万2000円となります。ここから娯楽費などを差し引いたとしても、少なくとも年間80万円前後は貯蓄できたはずです。

 今年3月からは毎月5万円の貯金に励んでいるとのことですが、それでも本来なら生活にゆとりがあってもおかしくありません。つまり、Rさんも自覚されていない使途不明金がかなりあるのは間違いないでしょう。

 少し酷な言い方をしたのは、マイホームの購入を検討中、かつ3人の子どもの教育費の準備が待ったなしの状況にあるからです。

 幸い、貯蓄が250万円ほどあることから、毎月余ったお金は貯蓄に回していたのでしょう。この部分は褒められるものの、早急に家計を改善していかないと教育費の準備が間に合わない可能性があります。

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ローンと教育費貯金だけで月20万円に