第1173回 娘の命日にやって来たそら

2016/04/21 10:34

 そら(写真、2歳、雄)は、6年前に亡くなった娘の命日にやって来た。娘の幼いときと同じで人懐こく、犬懐こい犬だ。
 前の犬が3年前に死んでから、夫と、もう犬を飼うのはやめようと誓った。犬と私たちと、どっちが先に逝くかを考えたからだ。
 そこで、ペットショップに行ったり、犬の散歩時間に合わせて歩きに行き、よその犬をなでたりして癒やしてもらっていた。
 そんなある日、ペットショップで、マルチーズとトイプードルのミックスで、アプリコット色の可愛い子犬と出会った。
 夫は私の心を見透かしたように、「欲しいんだろ、買えば」と言った。だけど、二人の年齢を考えると……。
 そのくせ、2回も会いに行った。その犬はおとなしく私の胸にぺたっと体を預け、私を見ていた。
 近くに住む息子に相談すると、万一のときには俺が引き受けると言ってくれた。
 三度目の正直ではないけれど、3回目に行ったときに子犬を引き取り、そらと名付けた。あれから2年。今では孫より可愛い。
 そらは、散歩に出れば前から来る人や犬を待ち、人ならなでてもらい、犬なら吠えられても後を追う。
 子どもも好きで、素足などをペロッとなめる。2歳の子になでてもらったときは、子どもの手がだんだんお尻の方に移っていくので、お母さんが「尻尾はダメよ」と言った途端、尻尾をギュッと引っ張られた。そらは怒らずに逃げだし、子どもはお母さんに怒られた。それでも懲りずに小さい子が好きなそら。トラウマにならずにすんでよかった。
 そらのおかげで犬友や散歩途中の人と話をするようになり、そらがいなければ知り合いになれなかった人たちとも出会えた。
 そら、知り合いをたくさんつくろうね。

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