【ビルボード 2019年間 TOP Artists】上半期に続きあいみょんが米津玄師を抑え総合1位に
【ビルボード 2019年間 TOP Artists】上半期に続きあいみょんが米津玄師を抑え総合1位に

 「マリーゴールド」、「Lemon」と、年をまたいでのロング・ヒット曲を持つ2アーティストによるデッド・ヒートを制したのは、ストリーミングで圧倒的な強さを誇るあいみょんだ。18年の年間16位から、19年度上半期首位、続いてイヤーエンド首位の獲得となった。あいみょんは、ストリーミングに加えてラジオでも1位と2冠だったが、一方の米津はダウンロードとルックアップ、動画再生、カラオケの4冠を獲得、最終的にストリーミングの有無が明暗を分けた。とはいえ、ラジオ指標でもあいみょんは盤石とはいかず、当年躍進したOfficial髭男dismが曲単位では1位と2位と、あいみょんを抑えたものの、あいみょんは6曲、ヒゲダンは3曲を同指標100位圏内に送り込み、チャート・イン楽曲の合計ポイントで1位を守った。総合2位の米津もまた盤石ではなく、ダウンロード、ルックアップ、カラオケではあいみょんが急追、ラジオでは4位と、ラジオ・フレンドリーなあいみょんやヒゲダン、星野源に後れをとる結果となり、11月まで二転三転するチャート・アクションだった。

 19年度の【TOP Artists】で目立つのは、ストリーミングを解禁したback numberと嵐。2月にストリーミングを解禁したback numberは、「高嶺の花子さん」「ハッピーエンド」「クリスマスソング」など5曲を同指標100位圏内に送り込み、【TOP Artists】ストリーミング指標では4位にジャンプ・アップ、同指標を追い風に18年11位から総合6位へ。また、10月11月と段階的にストリーミングとSNSを解禁した嵐は、国民的アイドルらしくベスト盤『5×20 All the BEST!! 1999-2019』によるフィジカル・ポイントが牽引する一方で、昨年までブランクだったダウンロードとストリーミング、動画再生でもポイントを積み上げ、18年15位から総合4位へ大きく順位を上げた。ランキングの死角が無くなった嵐のラスト・イヤーとなる次年度は18年の安室奈美恵を超える、まさに台風の目となるか、注目したい。

 女性アイドル・グループのランク・ダウンも目を引く。乃木坂46は18年4位から9位に、欅坂46は5位から19位に、、AKB48は8位から22位に順位を落とした。乃木坂のみフィジカルは18年に続き2位を守ったが、欅坂とAKBは18年よりも順位を落とし、デジタルでも苦戦。新作リリースが少なかったことが大きな要因だが、【TOP Artists】で上位を守るためには、リリースに左右されることなくコンスタントにポイントを積み上げることが出来るストリーミングやダウンロードでも存在感を示すことが年々重要度を増しており、20年度以降ではフィジカルとデジタルの両面でポイントを稼がないと、この傾向を覆すことは難しく、デジタル領域に対する積極的なアプローチが一層求められることになるだろう。

 19年度より【JAPAN HOT100】8つめの指標として新たに加えたカラオケ指標は、解禁やリリースと同じように順位を上げることはないが、週ごとに見ればヒゲダンやKing Gnuといった、19年に躍進したアーティストによる楽曲も着実にランク・アップするなど、トレンドを反映したアクティブ・ユーザーも多いことが分かるチャート・アクションもあることが明らかになった。ダウンロード、ストリーミングで上位となった楽曲は、タイム・ラグを置いて最終的にカラオケでも上位となることが多いことから、【TOP Artists】でカラオケ指標上位のアーティスト、米津玄師、あいみょん、back number、Official髭男dism、菅田将暉が、最も世代を横断して存在感を発揮した“今年の顔”と言えるのかもしれない。

◎【Billboard JAPAN TOP Artist of the Year 2019】トップ10
1位 あいみょん
2位 米津玄師
3位 Official髭男dism
4位 嵐
5位 TWICE
6位 back number
7位 ONE OK ROCK
8位 クイーン
9位 乃木坂46
10位 BTS
11位 RADWIMPS
12位 King Gnu
13位 星野源
14位 菅田将暉
15位 Mrs.GREEN APPLE
16位 King & Prince
17位 WANIMA
18位 DA PUMP
19位 欅坂46
20位 日向坂46