ゲスの極み乙女。全国ツアーを完遂、最終公演にはさらば青春の光がサプライズ登場
ゲスの極み乙女。全国ツアーを完遂、最終公演にはさらば青春の光がサプライズ登場

 ゲスの極み乙女。が、10月26日に全国ツアー【ゲスなのか、タコなのか】の最終公演を東京国際フォーラムホールAで開催した。
ライブ写真(全8枚)

 このツアーはワーナーミュージックジャパン内に設立された新レーベル「TACO RECORDS」の第一弾作品となったニューアルバム『好きなら問わない』のリリースに伴うもの。アルバムからの全曲を含む計22曲の熱演に、ダンサーやゲストによる演出も加わって、非常に盛りだくさんな一夜となった。

 オープニングのSEが流れ、先陣を切ってステージに登場したのはほな・いこか。勢いよくビートを刻み始めると、他のメンバーもそれぞれの位置に着き、「戦ってしまうよ」でライブがスタートする。「颯爽と走るトネガワ君」ではサックスとトランペットのホーン隊が加わって華やかさを増し、「はしゃぎすぎた街の中で僕は一人遠回りをした」は流麗なストリングスが軽快な曲調を後押し。「猟奇的なキスを私にして」では場内が手拍子に包まれ、序盤から大きな盛り上がりをみせた。

 川谷絵音がギターをかき鳴らした“イメージセンリャク”に続いて、「sad but sweet」ではダンサーが登場し、ピアノのループに乗って演劇的な要素のあるダンスでオーディエンスを魅了。間奏で4人のバックダンサーが加わったのに続いて、何と川谷も踊り出し、見事なペアダンスを披露すると、場内から大きな拍手が贈られた。

 さらには、「大事な曲をやります」と言って演奏された「もう切ないとは言わせない」、ヘヴィなギターリフの「招かれないからよ」と、『好きなら問わない』からの多彩な楽曲を続けて行く。アッパーな曲調の「僕は芸能人じゃない」を終えると、ほな・いこかと川谷が「芸能人か、芸能人じゃないか」で押し問答。川谷が「疲れた。誰か元気を出させてくれる人いないかな?」と言うと、ちゃんMARIが「いい人知ってる!」と反応して、ステージが暗転。

 何が始まるかと思いきや、お笑い芸人のさらば青春の光が登場し、今年の『キングオブコント』の決勝ネタである「鼓舞する人」のネタを披露。突然の展開に驚きつつも、場内は大きな笑いに包まれた。川谷とほな・いこかが「元気出ました」とステージに現れ、2組の馴れ初めなどを話し、リミックスバージョンの「私以外私じゃないの」からライブは後半戦へ。高速のファンクナンバー「オンナは変わる」では、ステージ上にもめている様子の男女が現れ、さらには客席から登場した水色のレオタードを着たダンサーたちも加わり、物語性の強い演出を展開。

 休日課長がエレキベースからウッドベースへとチェンジすると、ジャジーヒップホップのようなアンプラグドバージョンの「ロマンスがありあまる」、サックスも加わったアダルトバージョンの「ホワイトワルツ」と続け、バンドの多面的な音楽性を印象づける。

 再びエレキベースに持ち替えた休日課長がスラップを織り交ぜたソロを披露し、ちゃんMARIに続いて、サポートのえつことささみおもソロを回すと、最後はほな・いこかのパワフルなドラムソロから「パラレルスペック」、「ガール」と初期のナンバーを畳み掛ける。川谷はMCで今回のツアーを「とても楽しい、実りのあるツアーでした」と振り返り、ゲスの極み乙女。としては初めて、個人としてはindigo la Endのライブ以来3年ぶりに国際フォーラムのステージに立てたことの喜びを語る。さらには、オーディエンスに繰り返し感謝を伝えると、「めちゃめちゃ悲しいときは、めちゃめちゃ悲しい曲を聴いた方が元気になる」と、アルバム同様のラストナンバー「アオミ」へ。アウトロではちゃんMARI一人がステージに残ってソロを演奏し、深々とお辞儀をして、本編が終了した。

 アンコールでは読売テレビ・日本テレビドラマ『ブラックスキャンダル』の主題歌としてオンエアされている新曲「ドグマン」をフル尺で初披露。「情報量が多くて追いつけないと思うけど、いろんなところを聴いてみてください」という川谷の言葉通り、トラップのリズムや間奏のフリーキーなサイケパートなど、膨大な情報量を見事にまとめあげた、ゲスの極み乙女。らしい先鋭的な一曲で、強烈なインパクトを残した。そして、この日の最後を飾ったのは、赤いドレスを着た8人のダンサーがステージに華を添えた「キラーボール」。ピアノソロのパートでは、川谷が「ちゃんMARIの思う国際フォーラムを即興で」と無茶ぶりをするも、それに見事応えたちゃんMARIに大歓声が贈られ、濃密な一夜が幕を閉じた。