【深ヨミ】関ジャニ∞・地域セールスからみる自然災害と音楽ソフトマーケットの影響について
【深ヨミ】関ジャニ∞・地域セールスからみる自然災害と音楽ソフトマーケットの影響について

 平成30年台風21号で被災されたみなさま、北海道胆振東部地震で被災されたみなさまへ心からお見舞い申し上げます。

 9月17日付のBillboard JAPAN週間“Top Singles Sales”で、関ジャニ∞『ここに』が247,357枚を売り上げ首位を獲得した(集計期間2018年9月3日~2018年9月9日)。

 関ジャニ∞『ここに』は前作『応答セヨ』から約10か月ぶりにリリースされ、6人体制になってから初のシングルである。表題曲「ここに」はWANIMAからの楽曲提供であり、『関ジャム 完全燃SHOW』のエンディングテーマである。また、カップリング曲「タカラモノ」は、ベリーグッドマンからの楽曲提供であり、「カンテレ開局60周年記念」テーマソングある。

 本作が発売された週(2018年36週)は9月4日に台風21号が上陸し、各地に大きな被害をもたらした。また、9月6日には北海道胆振東部地震が発生し、北海道地方に甚大な被害を与えた。そんな中、オーディオソフト全体で地域別にどのような影響を与えたのかを、当週(2018年9月3日~2018年9月9日)と、2018年の平均値を比較してみたのが図1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/67642/2)である。被害の大きかった北海道(3.8%→2.7%)・近畿(14.9%→13.5%)・中部地方(12.1%→9.6%)は通常の週より大きく販売シェアを減らしており、音楽ソフトマーケット全体としては影響を受けている事を反映したデータとなった。

 それに対して、『ここに』を含む関ジャニ∞の直近4作品(『応答セヨ』17/11/15発売・『奇跡の人』2017/9/6発売・『なぐりガキBEAT』17/1/25発売)の地域別の販売シェアは図2(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/67642/3)の通りである。傾向として、本拠地である近畿地方(図中紫)ではどの作品も21%を超すシェアを誇っており、同一集計期間の全オーディオソフトの14.9%を大きく上回っている。また、中部(赤)・北海道(紺)・四国(薄緑)も全オーディオソフトと比較し、かなり高いシェアを示している。

 そして、作品による地域別シェアには殆どばらつきがなく、安定した人気を維持している事が読み取れる。しかし上述の通りマーケット全体は台風・地震により地域別に影響を受けているにも関わらず、本作は過去作と同様の地域特性を示しており、北海道・北陸・中部・近畿・四国で大きな支持を得ている。

 また、図1の36週の音楽ソフト全体の地域別シェアから、『ここに』の販売数を除きシェアを再計算した場合、近畿は11.2%・北海道は2.1%・中部は8.9%までシェアを落としていたと予想される。近畿地方では普段だと音楽ソフトを全国の14.9%を占めているので、自然災害の影響によって11.2%まで落ち込むと予想されたが、同週に『ここに』のリリースがあったため、実際には13.5%に留めたという事であり、近畿や北海道地方他での関ジャニ∞の影響力の大きさが確認できる。

 これらのデータから、ファンは天災時にも変わることなく関ジャニ∞の楽曲に元気づけられ励まされている事が垣間見える結果となった。