囚人たちに送られるミックステープ、著作権侵害で起訴
囚人たちに送られるミックステープ、著作権侵害で起訴

 米ユニバーサルミュージックが1月6日、刑務所の受刑者へ家族や友人が送ることのできる“ケアパッケージ(care packages)”を販売している、CentricGroupやKeefe Groupなどの会社を訴えた。ハリウッド・リポーターが伝えている。

 カリフォルニア連邦裁判所に提出された訴状によると、囚人たちに送られているのは、ジェームス・ブラウンやエミネム、マーヴィン・ゲイ、スティーヴィー・ワンダーなどの曲を収録したミックステープとのことだ。「被告らはウェブサイトで“自分たちのビジネスは密売を排除するためのもの”と豪語しているが、被告らが違法に取引し不当な利益を得ている原告の録音物と楽曲の不正コピーは、密売品そのものである」と述べている。

 ユニバーサルは、ミックステープが著作権侵害の隠れみのになっているとしているものの、そこには許可した配給業者がいることも認めている。

 このような正当な配給業者ではない被告らは、ユニバーサルの著作権を侵害し“客を呼び込むための看板”にしている疑いがあるとのこと。実際、被告らは他の商品やサービスを売るための目玉商品として、ヒップホップのミックステープなどを赤字を出して売ることもあると指摘している。

 自社楽曲をもとにした派生品を複製・販売・準備しているとし、原告のユニバーサルは、著作権のある作品に15万ドル(約1,790万円)ずつの最高法定損害賠償を要求。また不正競争を主張し、法定信託、違法な収益の返還、懲罰的損害賠償なども求めている。