春の夕刻、家路を急ぐ乗客で賑わう茅場町交差点風景。交差点を左折して渋谷駅前に急ぐ9系統の都電が眼前を横切った。右端の信号塔には就業中の転轍手の姿が見える。(撮影/諸河久:1962年3月28日)
60年ぶりに撮影した茅場町交差点の近景。高層オフィスビルが林立する街並みは都電が走ったことすら想像できない変貌ぶりだ。(撮影/諸河久:2021年10月23日)
夕方のラッシュ帯に運転された不動尊前行きの臨時15系統が発車を待つ。落日に映える兜町のビル街には証券会社が軒を連ねていた。茅場町停留所(撮影/諸河久:1962年3月28日)
1963年になると前掲の茅場町停留所は茅場町交差点の東側に移設された。画面右側の低い家並が日本橋茅場町、背景の証券会社ビル街が日本橋兜町で、「日本橋」を冠した地名が現在も脈々と息づいている。茅場町停留所(撮影/諸河久:1963年7月22日)
路面電車開通前の1888年に架橋され、1915年に拡幅されたプラットトラス構造の鎧橋を渡る14系統渋谷駅前行きの東京市電。東京証券取引所の前から撮影されたものと推察される。(所蔵/関田克孝)