ゆうき・しんいちろう/1991年、神奈川県生まれ。東京大学法学部卒。2019年、『名もなき星の哀歌』でデビュー。21年には本書収録の「#拡散希望」が第74回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。同年、3冊目の長編『救国ゲーム』が刊行される(photo 写真映像部・戸嶋日菜乃)
『#真相をお話しします』(1705円〈税込み〉/新潮社)42歳の妻子持ちがマッチングアプリにハマる理由が想像の斜め上をいく「ヤリモク」、リモート飲み会に仕込まれた鮮やかなまでの復讐劇を描いた「三角奸計」……。収められた全5編は、どれも伏線が回収された先に少しの恐怖感と爽快感が待っている。「伏線につながる細かな描写をいくつも用意してあるので、結末を知ったうえでも、2回、3回と読み返して楽しんでほしい」(結城さん)(photo 写真映像部・戸嶋日菜乃)