柚木麻子(ゆずき・あさこ)/1981年、東京都生まれ。立教大学卒業後、2008年にオール讀物新人賞を受賞。10年『終点のあの子』でデビュー。15年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞を受賞。近著に『BUTTER』『さらさら流る』『マジカルグランマ』など(photo 写真部・戸嶋日菜乃)
『らんたん』(1980円〈税込み〉/小学館) 大正最後の年。天璋院篤姫が名付け親だという一色乕児は、渡辺ゆりに求婚する。ゆりが出した結婚の条件は「シスターフッドの契りを結ぶ河井道と3人で暮らす」という前代未聞のものだった。新渡戸稲造、津田梅子、平塚らいてう、山川菊栄など、錚々たる人物と関わりながら、道は理想の女学校の創立をめざす。近代日本を舞台に描かれる「女子大河小説」だ