真菜さんは花が好きで、莉子ちゃんが生まれる前から、毎年一緒に花見に行ったという。松永さんは2014年の花見デートの写真を見返しながら、「俺調子乗ってるなー、真菜がかわいいからデレデレしてる」と頬をゆるめた(写真は2017年4月撮影/松永さん提供)
「被害者等心情聴取・伝達制度」を利用するにあたり、松永さんが飯塚受刑者に伝えたい内容をまとめたメモ(松永さん提供)
家族3人で暮らしたアパートで取材に応じる、松永拓也さん(撮影/写真映像部・佐藤創紀)
居間の一角が、莉子ちゃんのお絵描き場だった。紙の下半分には、家族3人で手をつないでいる絵が描かれていたが、インクの経年劣化により消えてしまったという。「物ってどんどん壊れていく。それを見るのが悲しくて、おもちゃのキッチンセットなんかも泣きながら解体したんですけど、やっぱりしんどくて」(松永さん)(撮影/写真映像部・佐藤創紀)
大きな小麦粉の袋を買ってきて、よくパンを焼いてくれたという真菜さん。「すごく上手で、ちっちゃいパンなんですけど、食パンとかおいしいんですよ」と、松永さん。事故に遭った日、真菜さんと莉子ちゃんは買い物の帰りで、現場には小麦粉が舞っていたという(写真は2018年3月撮影/松永さん提供)
事故が起きた2019年4月のまま壁にかかっているカレンダー。事故4日後の23日には、「16:00 イングリッシュ!」の文字が。「莉子は、真菜に似て頭がよかったんです。街で駐車場の“P”の文字を見つけたら、どこで覚えたのか、『お父さんお母さん、あれピーでしょ?』って。それで、『今度英語教室行ってみようね』って言ってた矢先に……。自分だけ日が進んでいくのがつらくて、カレンダーをめくれないんですけど、いつかはちゃんとしないとね」(松永さん)(撮影/写真映像部・佐藤創紀)
松永拓也さんと妻の真菜さん、長女の莉子ちゃん(松永さん提供)