一見、上がっているように見えて、実際は目減りしている──。インフレに「負ける」構図を理解すれば、次の一手が自ずと見えてくる(撮影/写真映像部・馬場岳人)
AERA 2024年2月5日号より
●ニッセイ基礎研究所の中嶋邦夫上席研究員が作成。使った資料は、厚生労働省「2019年財政検証結果 財政検証詳細結果等1(zipファイル)」、厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」/●年金額は、将来の目減りを現在の生活感覚で理解できるよう、現在の価値に換算した値(年金制度に合わせて、67歳までは賃金上昇率で、68歳からは物価上昇率で割り引いた値)/●マクロ経済スライドが停止すると、年金額の目減りはなくなる/●受給中の年金額が、同条件で新規に受給を開始する場合の年金額の8割を下回らない措置(いわゆる8割ルール)により、年齢が上がると試算した年金額が上昇する場合がある/●基本的には経済前提が悪いほど試算した年金額は低くなるが、経済前提が悪いほど実質賃金上昇率が低く、かつマクロ経済スライドの特例に該当しやすいため、経済前提が悪い方で試算した年金額が、経済前提がいい場合より高くなる場合がある