■松井義弥(折尾愛真)


ポジション:三塁手
身長体重・投打:191cm・88kg・右投左打
評価:C
おすすめ球団:ソフトバンク
九州を代表する大型打者。体の割れがない淡泊なスイングでタイミングのとり方など課題は多いものの、高校生離れした体格とスケールの大きさは魅力。投手も務めるだけあって、サードから見せるスローイングにも強さがある。現時点では支配下での指名は微妙なレベルにあるが、育成で選手を育てる環境のある地元のソフトバンクは獲得しても面白い素材ではないだろうか。

■松田憲之朗(龍谷大平安)
ポジション:遊撃手
身長体重・投打:182cm・84kg・右投右打
評価:C
おすすめ球団:オリックス
強打が魅力の大型ショート。まだまだ粗さは残るもののたくましい体格を生かしたフルスイングは迫力十分で、打球の速さも超高校級。体に力があり、プロで鍛えてみたいと思わせる素材だ。ショートの守備もレベルアップしているが、プロではサードの方が持ち味が生きるように見える。右の強打者タイプが少ないオリックスにおすすめしたい。

■根尾昂(大阪桐蔭)
ポジション:遊撃手
身長体重・投打:177cm・78kg・右投左打
評価:A
おすすめ球団:日本ハム
投手、野手の両面で注目を集めたが、今大会を見る限りではやはり野手としての可能性を大きく感じた。ショートの守備は着実にレベルアップしており、バランスの良さと地肩の強さはプロでも上位のレベル。バッティングも以前に比べて無駄なフルスイングをすることがなくなり、ミート力も向上した。センターから左へ叩き込める長打力も圧巻だ。これまで多くの超高校級選手を一流に育ててきた日本ハムはちょうどショートのレギュラー候補が手薄なだけに補強ポイントにもぴったり当てはまるだろう。

■小園海斗(報徳学園)
ポジション:遊撃手
身長体重・投打:178cm・79kg・右投左打
評価:A
おすすめ球団:広島
スケールの大きさでは根尾に軍配が上がるが、現時点のショートとしてのプレーの質の高さであれば小園が上回る印象を受けた。誰よりも深い位置を守り、鋭い出足で打球に向かうフットワークは一級品。打球と衝突することなく吸収するようにゴロをさばき、低くて速いスローイングも見事だ。バッティングもリストの強さが素晴らしく1回戦では3本のツーベースを放ち、スピード満点のベースランニングでもスカウト陣を唸らせた。菊池、田中の後釜候補の欲しい広島はプレースタイル的にもマッチするだろう。

●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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