2年連続で志願者数が全国2位、東日本1位となった法政大は、18年度の一般入試の志願者数が前年度よりも3293人増えた。2015年度から順に見てみると、志願者数は9万3986人→10万1976人→11万9206人→12万2499人と増え続けている。増加の理由について、菊池克仁入学センター長はこう話す。
「現在は文系が人気で、特に『社会』、『経済・経営・商』系統の人気が高い。本学には15学部ありますが、このうち11学部が文系です。キャリアデザイン学部、人間環境学部など社会科学系のユニークな学部も多く、多様な学部が受験生の学びのニーズに応えていること、2科目で受験できるT日程入試(全学部統一入試)や英語外部試験利用入試など、多様な入試方式を用意していることが志願者増の理由です」
加えて、こうも言う。
「16年度からの『入学定員管理の厳格化』の影響も大きいと思います」
菊池さんは、各大学が合格者を絞り込んだことによって、浪人生が増えたとみている。さらに、「本学でも複数学部を受験するケースが増えている」と菊池さんが言うように、安全志向で1人の受験生が受ける大学や学部の数が増えていることを志願者数増の理由にあげる。
■三次追加合格を出さなければならない
次に2015年度から18年度まで合格者数を見ると、1万9549人→2万3139人→2万1181人→1万7548人と推移。16年度は前年よりも合格者を出したが、その後は2年連続で合格者を絞っている。
「ここ数年は、2014年度から導入したT日程の学部併願制度の影響などで、合格者の手続き率が読みにくくなっているという事情もありますが、16年度入試で『入学定員管理の厳格化』が手続き率の上昇に想定以上に影響することがわかり、厳格化がさらに進んだ17年度の合格者数は減らさざるを得ませんでした」(菊池さん)
入学定員充足率の基準値は、大学全体の定員だけではなく学部ごとの定員にも適用される。他大学の合格者絞り込みの影響を受けるうえ、T日程入試で複数学部に合格した場合には、どの学部に入学するかわからないため、学部の合格者数の調整は難しいという。つまり、「19年度はさらに基準が厳しくなるため、手続き率も上昇する」などの予測が極めて重要となるのだ。