これらの数字が示すものは何か、ひと目でわかるだろうか。
【こんなに減った合格者数! 早慶上智、MARCHなど18大学の倍率はこちら】
立命館大6988人、法政大5591人、関西学院大3836人、早稲田大3444人、明治大2928人、関西大2882人、東洋大2434人、立教大2380人、専修大2284人、明治学院大2235人、青山学院大2191人。
驚くなかれ、上記は、2016年と18年で各大学ごとに合格者数を比較し、この2年間で合格者が「減少」した数だ。これらの大学すべてで志願者数は増加しているものの、合格者数はこれだけ減っている。各大学が合格者数を絞り込んでいるのがわかる。
もちろん「絞り込み」には理由がある。
入学定員充足率(入学定員に対する入学者数の割合)が基準を超えると私学助成金をカットされるため、定員超過を懸念する大学は合格者を絞り込むなどの策を講じているのだ。第一志望であることが多い国公立大と違い、私大は何校でも受けられるため、合格者が入学する「歩留まり」を読むのが難しい。
■合格者を絞りすぎても授業料が…
助成金が不交付となる入学定員充足率は、15年入試まで8000人以上の大規模大学は1.2倍以上だったが、16年度は1.17倍以上、17年度は1.14倍以上、そして18年度は医学部と同じ1.1倍以上と年々厳格化している。
ある大学関係者がこぼす。
「医学部は1991年から1.1倍ですが、定員が100人前後の医学部と、定員が700~800人もいる文系学部とでは、1.1倍を超えないための努力と大変さが違います。基準を超えると私学助成金が不交付になりますし、超えないように合格者を絞りすぎて定員が減った場合には、授業料が入らなくなります。とても厳しいですね……」
志願者が増えて、合格者が減る――。結果として、私大文系の「高倍率」化が目立つようになったが、大学側も厳格化した充足率のなかで優秀な学生を確保しようと苦心を重ねる。