さあ、驚かそう。無茶をして、皆様を驚かそう。無論、お金を支払って「ミュージカル」を観に来るお客様方を愉しませるために、必死だ。プレッシャーもある。ただ、50歳目前の初ミュージカルを観るのも一興かもよ。演出の福田の言葉。「僕はミュージカルを、宴会みたいなものだと思っている」。さあ。俺たちのとびきりの宴会を見よ。「歌えない踊れない」を言い訳にしない。嘘。多少言い訳にするかも。や、これも嘘。言い訳が入り込む余地がないくらいしっかりと。や、これも嘘。もう何を言ってるか分からない。ただ、観る人、1人でも多くの方々が、とびきりの笑顔で劇場をあとにする、極上の宴会、全力のおもてなし、必死でやりまっせ~。え何? そんな必死でやる宴会は観たくない? 馬鹿を言うな。必死で祭りの火を焚かなきゃ、そんな祭り、誰が観るんだ。俺たちの必死の宴会、期待せよ。(文/佐藤二朗)

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