決まってしまえば、あとはやるだけなので、気持ち的にはわりと楽になります。つまり心の重荷の大半は実は「考える家事」が背負っているのです。そして、この考える家事の存在すら、残念ながら主婦(夫)以外にはほとんど理解されないのです。

■「お手伝い」と「主体的」の違い

 お手伝いと主体的の違いがどこにあるかと言うと、それがこの考える家事を担っているかどうかにある。考える部分(今夜の晩ごはんは何にしようかな?)を終えた作業の部分(残っている野菜を使ってカレーを作る)だけを担うのがお手伝い。考える部分から作業までを一任するのが主体的である、ということだ。

「そろそろオシッコしたかもな」と思ってオムツをチェックして、オムツ替えをする。こういった動きができるのは主体的であると言える。でも、いつも「オムツ替えておいて」と言われるまでオムツ替えができないのであれば、それはお手伝いだろう。

「考える家事」の難しいところは切り出すのが難しいこと。

 パートナーに何かをお願いしたり、指示をしたりする時にはたいてい「考える家事」はすでに終わっている。だから頼んだ時点でそれは"お手伝い"になっている可能性が高いのだ。

■「考える」を手放せば楽になれる

 自分が主婦(夫)であり、主体度が高ければ高いほどこの「考える」を手放すのは難しい。なぜなら、いつもの流れや、やり方、好みのタイミングなどのこだわりもあるだろうから。それらを全部相手に理解してもらいつつ、自分と同じようにやってもらおうと思うのはまず不可能だろう。

 だから「考える」を手放すためには「覚悟」が必要になる。それは相手のやり方が自分のやり方と違っても受け入れる覚悟でもある。

■「考える」を手放すコツ

 では実際に、「考える家事」を手放すにはどうしたらよいのか? わが家の事例とともに紹介します。ポイントは権限委譲。

 わが家は家事のジャンルに応じてプロマネ(プロジェクトマネージャー)が決まっています。「洗濯」のプロマネは妻。どのタイミングで洗濯をするのか、どの洗剤を使うのか、乾燥機にかける衣類、外に干す衣類の仕分けなど全て妻が考えています。その上で「お風呂上がったら洗濯機回しておいて」などアクション部分をお願いされることもあります。

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