柱の不在は、救援陣も同じだ。緒方孝市監督は、チームの守護神に中崎翔太を指名しているが、元々ピシャリと抑え込むタイプではなく、絶対的な決め球もない。数字上は、今季ここまで21試合登板で14セーブ&防御率2.25と合格点だが、相変わらず走者を背負いながらの投球が多く、最後までハラハラする「中崎劇場」は健在だ。投手交代のタイミングについては、ファンの間ではこれまでも不満の声が上がっており、中崎が打たれ始めた時、取り巻く環境を含めたチーム全体の歯車が狂う恐れがある。
対抗馬を考えると、若手が台頭して絶対的なエースがいる巨人か、メッセンジャーが絶好調でしぶとい戦いを続ける阪神、はたまた投打に若手の成長が著しいDeNAか。広島としては、ナゴヤドームで1勝5敗と後手を踏んでいる中日も嫌な存在だ。
だが、最もカギになるのは交流戦だろう。2016年は11勝6敗1分け、2017年も12勝6敗と他のセ・リーグ球団が苦しむ中で貯金を増やすことに成功し、その後のペナントレースに勢いを付けた。今年の交流戦は5月29日から。いきなりパ・リーグ首位を走る西武と三次、マツダで計3試合を行う。この3連戦の勝敗が、広島の3連覇の行方を大きく左右するかも知れない。
リーグ3連覇への道はそう簡単なものではない。“快走”と言い切れるかどうかは、少なくとも交流戦を終えてからにした方がいいだろう。