杉山奈津子(すぎやま・なつこ) 1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』『「うつ」と上手につきあう本 少しずつ、ゆっくりと元気になるヒント』など(写真/本人提供)
杉山奈津子(すぎやま・なつこ) 1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』『「うつ」と上手につきあう本 少しずつ、ゆっくりと元気になるヒント』など(写真/本人提供)
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卒業証書を受け取るときだけ、便所スリッパから革靴に履き替える。個性的で自由な発想が、大きな成功をつかみやすいのかもしれない(※写真はイメージ)
卒業証書を受け取るときだけ、便所スリッパから革靴に履き替える。個性的で自由な発想が、大きな成功をつかみやすいのかもしれない(※写真はイメージ)

 うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんが、今や3歳児母。日々子育てに奮闘する中で見えてきた”なっちゃん流教育論”をお届けします。

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 エジソンの最も有名な名言に、「天才とは1%のひらめきと99%の努力」というものがあります。これ、きっとほとんどの人が「成功するには努力が大事と伝えたいのだ」と解釈しているかと思います。しかし実際は、エジソンは努力を推奨する気なんてさらさらなく、「1%のひらめきが重要なのだ」と言いたかったのだそうです。事実、エジソンは効率的な行動を好み、むやみやたらに努力することは嫌いだったそうです。

 彼は、重要な「ひらめき」を生むためには、「小さな人間の言葉に耳をかたむけること(エジソンそのままの言葉でいうと「リトルピーポー」)」と言っています。「赤ちゃんや幼い子どもほど、そのリトルピーポーの声を聞きやすく、大人になるほど難しくなってくる」のだそうです。

 この「リトルピーポー」とはなんだろう? と掘り下げることで、見えてくるものがあると思います。ひらめきとは、言い換えれば、発想、アイデア、突然ふってくる着想。それを引き出すためには、凝り固まったガチガチの頭を柔らかくし、常識にとらわれない好奇心や遊び心をもつことが大切です。

 とあるフリカケを作る会社が、「売り上げを2倍にするにはどうするか」という会議をひらいたそうです。普通なら、どうやって味をよくしようか、どうやって会社の認知度を高めようか、という方向に考えると思います。しかし、ある社員は「ケースの落ちる穴を2倍の大きさにしましょう」と言ったのです。そして、本当に売り上げを2倍にしたそうです。このように、ちょっと笑ってしまうくらいの型にとらわれない考え方が、素晴らしい切り口と着眼点で天才的なアイデアを生み出し、成功をもたらすのだと思います。

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