そして赤池氏は、前川氏の授業の件と同じように、文科省の担当者にキャッチコピーを決めた経緯の説明を要求。担当者からは、東宝から複数のキャッチコピーの提案があったなかで、最終的に文科省が選んだとの説明を受けた。
納得がいかなかったのか、赤池氏は≪国家意識なき教育行政を執行させられたら、日本という国家はなくなってしま≫うとして、担当者に≪猛省を促しました≫と記している。
赤池氏は日本会議国会議員懇談会のメンバーで、安倍政権では文部科学政務官に就いた経歴もある。2年以上前の出来事であるが、前川氏の授業への圧力と通じる姿勢に、ネット上では「戦前か!」「国際感覚が欠落している」などの批判が出ている。
赤池氏の事務所に質問状を送付したところ、書面で回答が届いた。キャッチコピーに抗議した理由について「教育行政を司る文部科学省として、子供向けとはいえ、『国境はない』という嘘を教え、誤認をさせてはいけない」「国境は歴然としてあります」と主張した。そのうえで、「私なら(キャッチコピーは)『国境があっても、友達でいよう』と名付けた」と説明。今後、同様のケースがあった場合の対応については「国民に選ばれた立法府の一員として、行政府に対して、事実確認を行い、問題提起をすることは当然の仕事」と述べている。
※[編集部注]3月23日に赤池氏の事務所から書面による回答が届いたので、回答部分を追記した。
(AERA dot.編集部・西岡千史)