それと前回の公演から自分としては厳しくやってきたんですが、正直しんどかったんです。なんか嫌われるのが怖いというか。でも、舞台を見に来てくれた役者の大倉孝二さんや犬山イヌコさんと飲みに行った時に演出家としての相談をしたら、『もっと厳しくやっている人もいるから、嫌われるくらいの覚悟が必要だよ』って言われて」
さらにカンニング竹山さんとの忘年会で、竹山さんに背中を押してもらう。
「演出の事はよくわかんないけど、お前もっと自信を持っていいよ。違うことは違うって言え」
その一言でまた救われたという岩崎さん。
「リーダーとして良い作品を作るには厳しさも大事で、もっと言うと質の良い厳しさっていうんですかね。バランスを大切にしていきたいです」
そう話す岩崎さんの顔はお笑い芸人としてグロテスクを表現する岩崎う大としての顔ではなく、作品を作り上げる芸術家の面に変わっていた。
コンビのネタでは、岩崎さんは人間の誰もが持つグロテスクや性癖といった感情を表現することが多い。