それまでは、静かに座っていた槙尾さんが女装の話になると、水を得た魚のように生き生きと話し始め、その眼には輝きが。こんなにテンションが変わるとは、女装をこよなく愛する方なんだなと実感した。

「リアルな女性を表現しているうちに、メイクの資格も取って、メイクや女装のイベントもやるようになっちゃいました」

 そう笑いながら話す槙尾さんは、完全に女の子の表情になっていた。
ちなみに、普段の二人の関係は大学からの先輩後輩の関係らしいが、女装の時のみ上下関係が崩れても許されるようだ。

 2018年1月30日より第四回目公演が始まるが、岩崎さんは演出においてある課題を抱いていた。

「コンビの時は二人ともおいしい役なんですけど、大勢が出る芝居だと皆の立ち位置を考えるのが大変で。正直、皆にスポットを当てられるわけじゃないし、それが作品にとっては良くないかもしれない。かといって無理に目立たせるのもそれはそれで良くない。作品のためには死に役もいないといけない。でも、それで本当にいいのか、全員を同じくらい活かしてやらなくていいのかっていうその辺の葛藤が常にあるんです」

 学生時代から培ってきた息の合った二人でのコントを作る時と違い、劇団という新たなフィールドにおいて、演出の難しさや葛藤に岩崎さんは直面している。

暮らしとモノ班 for promotion
【Amazonブラックフライデー】11月27日から先行セール開催。2024年の開催日程や目玉商品50選、お得なキャンペーンも紹介!
次のページ
カンニング竹山さんに背中を押してもらう