同番組内では年上の芸人として共演する人気プロスポーツ選手を適度にイジり、アスリートが普段の競技中にはあまり見せない一面を視聴者に提示しつつ、根底には学生時代に野球やサッカーに励んだ2人の一流アスリートに対する敬意の念も感じられ、そのバランスが見ていて心地良く、楽しめた。
企画力という点では、テレビ東京系で2日に放送されて平均視聴率13.5%を記録した「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦6 今年も出た出た!正月3時間スペシャル」の健闘も当然無視できない
他局に比べると予算的なハンデがある中、近年は企画力を駆使して「Youは何しに日本へ?」や「家、ついて行ってイイですか?」などの人気番組を世に放つテレ東の今の勢いを如実に表す格好となった。
他方、裏番組の「めちゃ×2イケてるッ! 中居&ナイナイ日本一周FINAL」(フジ系)は、当代きっての好感度タレントの元「SMAP」中居正広を投入したにもかかわらず、平均視聴率6.4%と「池の水―」にWスコアでの惨敗となった。
今回の「めちゃイケ」の番組内容がけっして悪かったとは思えないが、テレビが元気だった頃に人気芸能人を多数キャスティングし、莫大な制作費をかけた華やかな番組作りでテレビ史を彩ってきたフジ、当時から「日曜ビッグスペシャル 全国大食い選手権」や後に続く「TVチャンピオン」シリーズなど少ない予算の中で“素人”を上手く活用した番組作りで高視聴率は得られないまでも一部のファンからは高い評価を受けていたテレ東、両局のこれまでの番組作りのスタンスを象徴する2つの番組の視聴率の差が、今のテレビの置かれた状況を顕著に表しているようにも思う。
実際、今回の「めちゃイケ」の低視聴率、「池の水―-」の高視聴率は業界内でもかなり話題となっており、テレ東を高く評価する声がある一方で、テレビに携わることで収入を得ているテレビ局、番組制作会社、芸能プロダクションなどの社員にとっては、かつて潤沢な資金を誇り、“バブルノリ”で名をはせたフジの苦戦は、けっして明るいニュースではないというのが正直なところ。