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今年画業50周年を迎えたみなもと太郎先生。70歳を迎えた今も歴史マンガ『風雲児たち』の連載を抱え、マンガ研究家としても幅広く活躍している。2018年元旦には、みなもと先生の大ファンで「新撰組!」や「真田丸」も影響を受けたという三谷幸喜氏脚本で、NHK正月時代劇「風雲児たち~蘭学革命篇~」が放映される。ドラマへの出演も果たしたみなもと先生にマンガへの思いについて伺った。
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――『風雲児たち』のドラマ化おめでとうございます。キャストに片岡愛之助さん、新納慎也さん、山本耕史さん、草刈正雄さんなど豪華俳優陣が名を連ねる中、寛三という役柄で出演されたとのこと、緊張しましたか?
10代の頃に京都の撮影所で仕出しのバイトをしていたので、昔取った杵柄で平然とやったつもりです。年をとると厚かましくなるんだなと実感しましたね(笑)。52年ぶりに羽二重(かつらを被る前に頭に巻く布)を付けました。
子どもの頃から私のマンガを読んでくれていたという三谷幸喜さんの脚本ということで、大変楽しみです。
――37年以上連載している『風雲児たち』は、歴史マンガでありながらギャグが満載で、常に読者目線という姿勢がぶれないですね。
感動させようとか、歴史を教えてやろうみたいなのは嫌いなんです。『風雲児たち』を描く前は全然歴史に詳しくなかったので、自分が驚いたことや面白かったことを泥縄式にすぐ描いてきました。自分が本当に感動したときに、それをそのまま出して共有したい。これまで付き合ってきてくれた読者のことは、もう同志のように思っていますね。
――みなもと先生は「マンガはパクリの文化である」ということを仰っています。
ありとあらゆるものは、何かの影響を受けなければ出てきません。お互いに影響しあってその時代のにおいや画風が出来上がるわけで、それは動かしようがない事実です。ピカソは「凡人は模倣し、天才は盗む」という言葉を残していますが、音楽でも科学でもみんな先人の恩恵を浴びていることを忘れてはいけません。