「一般的には宮司が亡くなり喪中だった場合も、神社や仏閣には責任がありますので、初詣に人を迎え入れないということはありません。参拝に行く方がいらっしゃるかどうか、という問題です」
鈴子さんによると、近年は女性宮司が増え、富岡八幡宮のように力のある神社が女性宮司をなかなか認めない神社本庁と対立・離脱するケースが増えているという。背景にあるのは神社仏閣ブーム。参拝者が増えて、経済的に裕福になっているというのだ。
「特に富岡八幡宮は今年の夏、3年に一度の例大祭を行い、横綱・稀勢の里の奉納相撲もありました。大規模修繕もしていますが、今年は多くのお金が集まったのではと予想できます。ただ、男尊女卑の文化が根強い世界でもあり、女性宮司になると家族や氏子さんたちとの間で揉め事が増えているようです。豊洲市場の氏神さまも富岡八幡宮だと聞きました。氏子地域に揉め事が広がらないといいのですが……」(鈴子さん)
折しも相撲協会が日馬富士の暴行事件で揉めている最中に起きた、勧進相撲発祥の地での前代未聞の殺人事件。もとの活気を取り戻す日がくることを祈るばかりだ。
(AERA dot.編集部 金城珠代)