世界を揺るがした「パナマ文書」から1年あまり経った11月5日、新たに発表された「パラダイス(天国)文書」と呼ばれる調査報道が全世界を震撼させている。
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いわゆるタックスヘイブン(所得税は極めて低いか、0の租税回避地)とはスペイン、イタリア語などいくつかの言葉で「税の天国」とも呼ばれているので 、今回は「パラダイス文書」と名付けられた。
税金逃れを行なっていた著名人、企業を暴いたパラダイス文書に掲載された世界の首脳や閣僚、王室関係者らの名前は47カ国120人以上に上った。
アメリカのトランプ大統領が日本をツアーしていた時、世界中の読者や視聴者はウィルバー・ロス商務長官が複数の法人を介してロシアのプーチン大統領に近いガス会社に投資していたことを知った。
ロス氏以外にもバミューダ諸島に設立された資源会社の役員を務めていた鳩山由紀夫元首相、カナダ首相の腹心や英国のエリザベス女王らの名前が次々と報じられた。
エリザベス女王が投資しているオフショア・ファンド(タックスヘイブンに登記上の本拠地を置き、各国の有利な株式市場で資産を運用する投資信託)は、仲介社を通じて問題のある会社に投資したこともわかっている。
芸能人では歌手マドンナ、シャキーラ、ロックバンド「U2」のボノの名前もあった。
ボノはマルタ島の会社の一人の株主だった。その会社はリトアニアの小さい町でショッピングセンターを持っているそうで、同国の税務当局が税金逃れの疑いで同社を捜査しているそうだ。ただし、ボノの広報はリトアニアのメディアの取材に対し、「すべて適法に税務処理されている」とコメントしている。
日本では「ドラゴンボール」で知られる漫画家の鳥山明氏もあった。
これらは1年間密かに働いた96社の報道機関、382人記者の成果だ。欧州連合のある委員が「電気ショック」のようだと感想を述べていた。
去年の「パナマ文書」はパナマの法律事務所から漏れた書類だったが、「パラダイス文書」の流出元は複数で、法律事務所2社と19カ国の登記所などだ。