国際親善試合の日本対ブラジル戦が11月10日の午後13時(現地時間)から、フランス北部のリールにあるスタッド・ピエール・モーロワで行われ、日本は前半にミスから3失点を喫し、1-3で敗れた。これで対ブラジル戦は2分け10敗となった。
ブラジル戦ここ3試合は無得点で敗れていたものの、今回は後半17分に左CKから槙野智章がヘッドで一矢を報いた。ブラジル戦での得点は、2006年のドイツワールドカップ・グループリーグで玉田圭司が先制点を決めて以来11年ぶりとなる。
ブラジル戦を控え、井手口陽介は「個人の能力も凄いですけど、組織的なサッカーもしてくる。こっちも組織で守れるようにしたい」と抱負を語っていた。原口元気は「攻守にパーフェクトな試合をしないといけない。90分間、苦しみながらやる試合になるだろう。その先に喜びがあればいい」と分析した。そしてこの試合が代表100ゲームとなる長友佑都は「まず守備じゃないですかね。チームとしてどこまで守れるか」と守備の重要性を口にした。
彼らの言葉通り、日本はまず守備から試合に入った。左サイドに張ってボールを受けてカットインからチャンスメイクするネイマールには、酒井宏樹がマンマークで付き、1トップのガブリエル・ジェズスに対しては吉田麻也と槙野でマークの受け渡しをする。そしてウィリアンには長友が対応した。
ブラジルの中盤、ボランチのカゼミロは井手口がケアし、長谷部誠と山口蛍が相手インサイドハーフの動きを封じる。さらにブラジルの両SB(サイドバック)の攻撃参加には久保裕也と原口が下がって対応した。
試合開始と同時に日本は前からプレスをかけて、相手3トップへ入ってくるボールにはマンマークで「前を向かせるな」というヴァイッド・ハリルホジッチ監督の指示を実践した。しかし前半3分、左サイドで酒井宏を抜いたネイマールがカットインからゴール前に迫る。日本はボランチが囲い込みにいくと、ネイマールは3人を引きつけて右サイドのウィリアンへパス。フリーとなったウィリアンの放ったシュートはDFのブロックで右CKに変わったものの、これはこの試合を象徴するシーンでもあった。
日本はマンマークでボールを奪いにいくが、剝がされてしまいドリブル突破を許す。すると日本は複数の選手がカバーリングに入る。これはこれでセオリー通りだが、ブラジルは一枚上手だった。ひとりの選手が複数の選手を引きつけることで、オープンスペースとフリーマンが生まれるからだ。それを可能にしたのが、ワンツー突破を含むハイスピードでのプレーだった。