総選挙が終わり、永田町では野党の混乱が続いているが、東京・渋谷では、選挙の余韻など消え失せて、今年もハロウィーンで盛り上がっている。今や日本を代表するコスプレイベントとして定着し、海外から駆け付けるファンも多い。
日本のソフトパワーの強さを示す大規模なイベントと言えば、ハロウィーンの大先輩格とも言える「コミケ」がある。「コミケ」とは、1975年に始まった同人誌の即売会「コミックマーケット」の略称だ。漫画愛好者が集う小さなイベントとして始まったが、今や、参加サークル数3万以上、参加者数は延べ50万人を超えるまでに成長している。年に2回、夏のお盆の時期と年末に、それぞれ3日間にわたり開催され、それぞれ「夏コミ」「冬コミ」と呼ばれる。
展示即売されるのは、漫画、アニメ、ゲーム関連の同人誌が主役だったが、近年はコスプレイヤーが集結したり、その場での交流を楽しむ観光客も参加するなど、一つのお祭りとして国際的人気も急上昇中だ。
そのコミケの開催が危うくなっている。原因は東京オリンピック・パラリンピックの開催により、コミケの会場である東京ビッグサイトが使用できなくなることにある。
実は今回の総選挙のドタバタの最中にも、小池百合子氏が東京都知事として、この問題を自ら取り上げていたのをご存じだろうか。
その発言は、9月29日の都知事としての記者会見でのことだった。29日と言えば、都知事会見に連続して行われた希望の党代表としての記者会見で、小池氏が、フリージャーナリスト横田一氏の厳しい質問を受けて、「排除いたします」と発言した日だ。小池旋風が止まり、希望の党が急坂を転げ落ちる転機となったあの日である。
この会見で小池氏は、コミケの開催問題について、以下のように述べている。
「何とか、西と南の展示棟(正しくは「西棟」のみ。後の質疑の中で訂正)を調整をいたしまして、平成32年(2020年)の5月1日から5日まで、これがこのコミケ関連で使えるようにさせていただくということで、今、関係者とも調整をしているところでございます」