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 終わってみれば安倍総理の目論見通りに自民圧勝で終わった感のある衆院選総選挙。果たしてこれは引き続き、自民党・安倍政権が盤石であることを示すのか。『知性の顛覆』の著者・橋本治氏が衆院総選挙を総括する。

──衆院選が終わりました。「希望の党」の失速、「立憲民主党」の躍進……と、いろいろありましたが、結局は与党が3分の2を超える圧勝という形になりました。

橋本:うん、ニュースじゃ投票率が低いとか言ってるけど、大型台風直撃の最中の選挙だってことを考えればそうでもないよね。ところで、ANZEN漫才が歌ってる「かならず選挙に行く」っていう曲知ってる? ヤンキーっぽい不良のカップルでバカだけど、「かならず選挙に行く~」っていう。でも自分が誰に入れたのか覚えてない……と。こんなところに批評があったかと思う秀逸な歌なんだけどさ、私は思わずアレを思い出しちゃいましたね(笑)。

 私は、そういうくだらないコトにホントがあると思ってるんですが、少しマジメに今回の選挙の印象について話すと、日本人って結局「自民党A」と「自民党B」の二大政党制があればいいと思っているんだということが、よく分かった気がするんですね。「希望の党」は小池百合子がうっかり「排除」ってホンネを言った瞬間に終わっちゃったけど、今回の選挙で彼女が「改革保守」って言い出した時、一瞬「風」が吹いたように見えたのは、そういうコトなんですよ。

 民主党、民進党のわけの分からなさは、保守だか革新だか分からないところで、だから「改革保守」って言われた時に、多くの人は「そっちか」と思ったんだよね。要するに、みんなが昔からイメージしていた「保守vs.革新」の二大政党制じゃなくて、「保守vs.保守」の二大政党制を望んでいるんだと。それは別の言い方をすれば、国民は、今のような自民党一強状態の「巨大化した保守」を望んでいないというコトでもあるわけでね。その証拠に今回の選挙で自民党が「圧勝した」けれど、「安倍総理が嫌われている」というのは相変わらずなわけじゃない?

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