夢は「トークライブで全国制覇すること」だと語るのは、「ダウン症のイケメン」あべけん太さん。今年の目標はタレント活動をもっと頑張ること。人生初のエッセイ集『今日も一日、楽しかった』を発売したけん太さんにとって、人前に出ることにはどんな意味があるのだろうか。けん太さんに胸の内を聞いた。
――そもそもタレント活動はどうして始めたのですか。
僕、すごい目立ちたいんです。注目されるのが大好きで、みんなに「けんちゃん!」って呼ばれたい。前に電車の中で声をかけられて、「テレビに出ているあべけん太さんですか?」と聞かれたことがあって。あの時はほんと嬉しかったですね。
「ダウン症のイケメン」として頑張っているところをみんなに見てもらいたいっていう気持ちもあります。ダウン症があってもこんなに毎日楽しくすごしてるんだってことを知ってほしい。
――「ダウン症のイケメン」と自分で言うようになったきっかけは?
「バリバラ」の収録の時に、控え室で他の出演者の方とお話していたときのことです。僕が「知的障害って言われるのは嫌だ」って言ったら、「じゃあ、けん太はなんて呼ばれたいの?」と質問されたんです。
う~んって考えているうちに、フト思いついて、「ダウン症のイケメンです!」って答えたんですね。そしたらみんなにハハハハって笑ってもらえて。「それ本番でも言ったほうがいいよ」と言われました。
その時だと思います。俺はダウン症のイケメンになるぞ! ダウン症の希望の星になるぞ! って思ったのは。
――昨年の夏に相模原障害者施設殺傷事件がありました。あの事件の犯人への思いも本には書かれています。
障害者を19人も殺すなんて、悲しいし怒っています。包丁で刺して殺すなんて絶対に許せません。犯人は「障害者なんていらない」って思っていたんですよね。ふざけんじゃないよ! って思います。
以前、茨城県の教育委員会の女の人が、生まれる前に障害があるかどうか分からないのかとか、障害者を減らした方がいいみたいなことを言っていましたよね。あれも、ふざけんなよ! って思います。
障害者だって、仕事もできるし、ビールも美味しく飲める。みんな元気で楽しく頑張ってるんですよ。僕は大きい声で言いたいですね。