プロ側も即戦力として見るのではなく、2、3年はしっかりと鍛えてから一軍の戦力として考えられるのであれば、その才能がさらに開花することも十分に期待できるだろう。

 秋のリーグ戦で、個人として最も話題をさらっているのが岩見だ。

 9月24日の法政大戦から10月8日の明治大戦までで、リーグ記録となる5試合連続ホームランを記録。10月17日の立教大戦ではシーズン最多タイ記録になる7本目のホームランも放って見せたのだ。

 これでリーグ戦通算本塁打数は歴代3位の21本となり、1位の高橋由伸(慶応大→巨人)の23本にもあと2本と迫っている。今まで東京六大学で20本以上のホームランを放っている田淵幸一、(22本・法政大→阪神)、岡田彰布(20本・早稲田大→阪神)はいずれも1年時からレギュラーとして出場しているが、岩見がリーグ戦で初ヒットを放ったのは2年の秋。比叡山高卒業後に1年の浪人を経て入学したという経歴も過去の名選手とは大きく異なっている。

 岩見の特長は何といっても187cm、107kgの巨漢を生かしたその長打力である。

 前述したようにこれまで21本塁打を放っているが、通算打数はわずか172で本塁打率(何打数に1本ホームランを打つか)を計算すると8.19という数字が出てくる。ちなみに高橋、田淵、岡田の東京六大学時代の本塁打率はいずれも15点台であり、岩見の数字がいかに規格外かということがよく分かるだろう。捉えた時の打球は神宮球場の上段に達するほどで、その飛距離もまた普通ではない。

 これだけホームランを量産していれば1位指名間違いなしとなりそうだが、そうはならないところに岩見の弱点がある。

 リーグ戦通算打率は.291と決して低くはないが、59試合で45三振ととにかく三振が多い。バットを動かしてタイミングを取るため無駄な動きが多く、ボールを前でさばいて捉えるタイプのため逃げる変化球に対してはどうしても早く目が離れてしまうことが多い。また内角の速いボールをさばききれないのも課題だ。

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