2016年の「国民生活基礎調査」で、自覚症状のある病気やけがのうち、男女ともにトップ1、2に入るのが腰痛です。発売中の週刊朝日MOOK「腰痛 肩こり ひざ痛のいい病院」では、腰痛について病院では聞きづらいことを整形外科の専門医に聞きました。JCHO大阪病院副院長の冨士武史医師がズバリお答えします。
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■Q:腰痛が「起こりやすい人」はどんな人?
A:おなかに力を入れていない人です
姿勢や仕事などの生活習慣、加齢による骨や関節の変形、筋肉量や筋力の低下など、腰痛にはさまざまな原因が考えられますが、総じて腰痛になりやすい人は、おなかに力を入れていない人、つまり「腹筋を使っていない人」といえます。
筋肉量を保つことも、筋力を鍛えることももちろん重要ですが、腹筋があっても使わなければ意味がありません。立っていても座っていても、おなかにちゃんと力を入れていれば、空気をいっぱい入れたボールのような状態になって腹筋で体重を支えることができ、腰への負担を減らすことができます。
たとえば、テレビを見ていてもCMのときだけは、おなかに力を入れてみる、あるいは、お湯が沸くまでの間、おなかに力を入れて立ってみるなど、生活の中でおなかに力を入れることを意識する時間を持つことを習慣づけましょう。
前かがみになったり、反らしたりせず、なるべく姿勢をまっすぐにして、おなかに力を入れて過ごすことが腰痛予防につながります。
■Q:ぎっくり腰になりやすい年齢は?
A:青壮年期なら何歳でもなる可能性があります
無理な姿勢で重いものを持ち上げるなど、強い力が腰にかかって起こる急性腰痛を「ぎっくり腰」と呼びます。ぎっくり腰の原因はさまざまですが、青壮年期なら、どの年齢にも起こり得るでしょう。
ぎっくり腰を予防するためには、重いものを持ち上げるとき、からだから離すのではなく、からだにしっかり引き寄せて持つこと。また、立ったままかがんで持ち上げるのではなく、腰を落として床にひざをつけ、荷物を持ってから立ち上がるようにしましょう。