情報番組って時代の鏡だと思うから、「芸人のくせに」っていう批判はそんなに気にならなくなりました。というか、気にしてもしょうがないんですよね。そういう作りなんだから。

 あとね、視聴者のみなさんがもう一つ気付いてないのは、テレビに出てるコメンテーターっていっぱいいるけど、どんなに真面目な人も偉そうな人も、出たいから出ているってこと。みんな別の肩書があって、コメンテーターだけで食ってる人ってほとんどいないから、本当に嫌なら出なきゃいい。これって内側にいる人しかなかなか気付かないけど、出てるってことは出たいんです! どっかの教授でも、何かの評論家でも、みんなそう。無理矢理出された人は、次から出ないですから。いろいろ理由を付けても、出たいんですよ。

 何かの第一人者でも「俺はそういうの苦手だから」「自分の仕事だけやっていたから」って人はいっぱいいる。朝はテレ朝行って、フジテレビに行って、夜は日テレ行って…って、嫌ならやんなきゃいいんだから。でもギャラももらえるし、出たいから出ているんですよ。みなさん、この評論家マジックにはなかなか気付かないんですよね。

 国会議員でも一緒です。出ない人は出ない、出る人はめちゃくちゃ出るじゃないですか。与党と野党でメンバーを揃えて欲しいのに、いつもだいたい同じ顔ぶれになるのはそのせい。もちろん喋り上手い下手、使いやすさもあるけど。

 だからね、そういう人に「出るんじゃねー」って言っても全然、響かないってこと。

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