「会社員時代は周りに眉をひそめられていた得意のオヤジギャグや下ネタが、ここではドカンドカンと受ける。『死んだお父さんに似ている』という、女性入居者からの口説き文句を、一日に何回も聞くようになり、まさに引っ張りだこ状態です」
こんなことなら、もっと早く転職していればよかった……そう後悔することしきりだ。
一方、別の施設の人気ナンバーワン男性スタッフは、苦み走った30代のイケメン。真顔でジョークを飛ばすという特殊な技を持っている。
「ここではどんな仕事でも、入居者を楽しませることが大事。みなさん、飽きやすいので。その代わり、同じギャグが何度でも受けるというメリットもあります」
センスはともかく、笑わせてくれること。これがホームにおけるイケメンの一番の要件らしい。
(文/福光 恵)
※週刊朝日ムック「高齢者ホーム 2018 プロに教わるやすらぎの選びかた」から