もう一つは、いっそ「伝えない」パターン。放送もなければ、回覧板もない。聞かれれば答えるが、「あえては知らせない」という施設も、実は多い。
ほかの入居者は、もう何日も食事に来ていないあの人の部屋に、業者や家族が入っていったのを目撃するなどして、亡くなったことを悟るという。
「入居者の方々には穏やかな日常を送ってほしいという思いから、訃報のアナウンスはしません。今まで入居者から、苦情がきたこともないですね」(「伝えない」パターンを実行する施設職員)
(文/福光恵)
※週刊朝日ムック「高齢者ホーム 2018 プロに教わるやすらぎの選びかた」から