■東北
国公立大のトップ40に入ったのは23位の仙台第二(宮城)と31位の秋田(秋田)で、私立大のトップ40には1校も入っていない。
東北でもっとも医学部合格者数が多い仙台第二(宮城)には、医学部志望の生徒が入る「医進会」がある。「医師の講話を聴く、都市部と過疎地域の病院を見学するなどの会のプログラムによって医師になる心構えが育ち、モチベーションも上がるようです。2010年度に医進会を始めてから医学部志望の生徒が増え、医学部合格者も増えました」(仙台第二の菊地敏広進路指導部長)
秋田は、昨年の国公立大合格者数22人から35人と増加。「医学部志望者向けの『医学部ガイダンス』に加え、毎月14日を語呂合わせで『医師の日』とし、1カ月間の医療ニュースなどから生徒が選んだテーマに対して意見を書き、教員がそれを読んでコメントしています」(進路指導主事の土門高士教諭)
この学校の取り組みに加え、医師確保に悩む秋田県が実施する県内各病院での「医師体験」、医師・医学部の講演会などにも参加しているという。
■関東
国公立大医学部は6大学しかないが、私立大+大学校は19大学もある。
国公立大のトップ40に入ったのは、7位の開成、16位の麻布、桜蔭など6校。すべて、中学入試の偏差値が高い中高一貫校で、千葉の渋谷教育学園幕張以外は東京の学校だ。
私立大のトップ40を見ると、その6校に加え、21校がランクイン。27校のうち実に20校が東京の学校で、東京の強さが際立っている。
御三家をはじめとしたトップ進学校は、医学部受験のための特別なコースや指導がないところがほとんどだ。そんななか、国公立大33位、私立大3位の海城(東京)は、医学部志望者を対象とした「医学部小論文・面接講座」を04年度から実施している。「高2の3学期に、理想の医師像や医師を目指す理由について考えます。高3では『先端医療論』などの講義を受け、ディスカッションをしてから小論文を執筆。代表作品を合評します」(内田玄司教頭)