「2007年に北米でiPhoneが発売され話題が日本にも伝わる。その中でソフトバンクが国内初のスマートフォンとして2008年にiPhone3Gを国内で販売し、大行列ができるフィーバーとなりました。その初期のiPhone購入者とメディアの評判でスマートフォン=iPhoneの地位が確立したと思います」(吉本氏)

 確かにiPhone登場以前を見てみると、欧米では「BlackBerry」というスマートフォンが登場していたが、日本では一部の企業内で用いられたのみで、一般にはほとんど普及しなかった。そのため、日本人にとってのスマートフォンはやはりiPhoneということになる。それだけ、iPhoneを日本に伝道したソフトバンク創業者・孫正義が引き起こした“ビッグウェーブ”は大きかったということか。

 実際の利用者の声はどうか、現在iPhone 7を使っている20代女性はこう話す。

「iPhone 6から7に乗り換えました。単純に新しいiPhoneが発売されたから購入しました。学生の頃はAndroidを使用していましたが、やはり操作性がもっさりしており、iPhoneに乗り換えてからはその不満がなくなりました。今後もiPhoneを使い続けたいと思います」

 一度iPhoneに乗り換えると、使いやすいのでやめられなくなるという図式がありそうだ。iPhoneがそれだけ魅力的なデバイスであることに加え、国内大手3キャリアが様々な制度を駆使したことで、高級機であったはずのiPhoneを手頃なものにした――それが日本の根強いiPhone人気に繋がっているようだ。言い換えれば、やはりそれだけ、日本は豊かな国だということを実感するべきなのかもしれない。(文・河嶌太郎)