7月24日、早稲田大学でジャーナリストの津田大介さんによる特別授業が行われた。授業では、ゲストのAKB48の茂木忍さん、週刊朝日編集長の佐藤修史さんとともに、「情報社会を生きるために必要なメディアリテラシー」について語ってくれた。
1年半前、茂木さんは、政治やメディアの仕組みをわかりやすく解説した本『日本一やさしい「政治の教科書」できました。』の企画で、津田さんと、憲法学者で首都大学東京教授の木村草太さんの二人から講義を受けた。授業を通じて成長した茂木さんだが、過去にはブログ炎上した経験があると明かした。
※「AKB48にとっての総選挙『アイドルも政治家も同じ◯◯で成り立っている』」よりつづく
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「ニュースを見て、アイドル活動に役立つことってありますか?」
津田さんの質問に、「もちろんです」と頷く茂木さん。意外にも、握手会やライブで話題にすることも多いという。
「特に劇場でMCをやるとき、軽い時事ネタを入れるとお客さんのウケがいいんですよ。やっぱり皆が知ってる共通の話題だからかな」
興味のある情報は、もっぱらスマホのアプリやLINEニュースを活用して仕入れているそうだ。一方で、新聞や雑誌を読むことは、ほとんどないという。
津田さんは、「各メディアの性質を理解して、バランスよく情報を仕入れることが大事」と語る。
「実は、細かく見ると、メディアによって書いてあることが微妙に違ったり、掘り下げてある深さが違ったりします。できれば『ネット』『紙』『人』と、複数の情報源を持てるといいですね」
また、同じメディアであっても、発信元によって出来事の報じられ方が違うこともある。特に新聞や雑誌は、それぞれの社がもつイデオロギーを優先するあまり、偏向報道に陥りやすいという指摘があることも確かだ。
これについて、佐藤さんは「極端に偏らないような配慮は必要」とした上で、「事実をわかりやすく伝え、重要な問題点を提起するまでがメディアの仕事でしょう」と指摘する。