ロンドンでのパラ陸上の世界選手権が7月23日、閉幕した。日本勢は過去最多となる16個のメダルを獲得したが、8月4日から開幕する世界陸上に比べて国内では報道も少なく、その活躍はなかなか伝えられなかった。カンニング竹山さんは「テレビや教育が、障害者に向ける目線を間違えてきた」と話す。
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世界パラ陸上はテレビで少ししか見られなかったけど、ロンドン市民がすげー盛り上がってましたね。ただアスリートの戦いに熱狂してる。これから東京オリンピックもあるし、日本ももっともっとそうなるといいなと思う。
プロのアスリートなんだから、かわいそうな目とかいらなくて、「足が無いのにこんな早く走れるなんてすげーな!」って目で見ていいと思うんですよ。日本ではテレビの伝え方も、障害者に関する教育も何十年も間違ってきたから、いたわろう、助けなきゃ、かわいそうな人達という考えで来てしまった。でもね、障害を持ってても良いやつもいるし、性格悪いやつもいる。健常者って呼ばれる人たちと一緒なんですよ。
そう考えるようになったのは、5年ぐらい前にNHKの「バリバラ」って番組に出させてもらってから。司会の玉木幸則さんっていう脳性麻痺のオッサンにいろんなことを教えってもらった。障害者と言われる人たちと本音のところでどう付き合ったらいいかとか。
番組で僕らはVTRに出てる人たちを大笑いするんですよ。障害者って言われる人たちをね。なぜかというと、ロケに行ってるような子たちはみんな楽しんでもらいたい、笑ってもらいたいって意思があってやってるから。歩けなかろうが、車椅子だろうが、面白いときは笑っていいし、嫌なやつには怒っていい。
単独ライブ「放送禁止」でバリバラ特集をやったときには、仙台に障害者プロレスやりに行ったんですよ。脳性麻痺だったり知的障害があったりするレスラーとプロレスやったりするんだけど、健常者の僕がバンバン叩いたりもする。それはショーであって、そうやって向き合わないと失礼でしょ。