夏になると被災地や障害者をテーマにした特番が増えますけど、玉木さんが盲目の子が山に登る番組のことを「テレビのお金で山に登るだけで、ええなあ」って言っていたんです。その番組は障害があるのに一生懸命頑張った!って編集されてたけど、「登れるわ、おれら」って。障害者でもいろんな考え方があって、玉木さんは「障害者も自立せなあかん」って考えで、支援団体で働いたりしてる。だからそう思うんですよね。

 今までメディアが伝えてきたのは、アスリートに密着しても最後は涙で終わるのが定番。足がないのにここまでやれたんです、家族との絆があって、みたいな。それって健常者用のテレビなんですよね。健常者を勇気づけて、感動させるだけの目線。障害者を感動させるモノとして使っちゃう。

 一方で、障害について何にも知らない人たちに伝えることができて、そこから活動する人もいるからいいじゃないかって考えもある。ただ、もうちょっと“普通”に付き合えたらいいですよね。

 しばらく付き合っていくとわかることもあって、玉木さんは「アーウー」って喋り方するんですけど、一緒にいると何を言っているかわかるようになってくる。障害者を100人集めた特番「ココがズレてる健常者」なんかでよく言われるのは、「ソワソワしているぐらいなら、障害のことを聞いてくれたほうがいい」ってこと。

 例えば、腕のない人に子どもが「どうして?」って聞こうとしたら、親が「そんなこと言っちゃダメ」って止めたりするけど、それはみんな嫌だって言いますよね。みんなの総意は、親が「あのお姉ちゃんに直接聞いておいで」って言ってあげること。子どもが僕に「何でメガネかけてるの?」って聞くのと同じです。

 誰だって、飯食いたいとか、恋愛したいとか、気持ちは変わんないんですよ。金にきたねえやつは金にきたねえし、人がいいひとは人がいい。乙武洋匡さんの不倫報道とかは良い例で、手とか足がないからってみんな引いたり、勝手に「裏切られた」と思ったりしてたけど、簡単な話で、ただの女好きだったんですよ。介助が必要だったとか、そういう難しいことじゃないと僕は思うんです。乙武さんがただ女が好きなジャーナリストだった(笑)それに、ちょっとモテちゃったんでしょ。

 乙武さんは頭もいいし、スポーツのことも詳しいから、障害とか関係なく仕事をちゃんとしてほしい。だからプライベートはちょっとお願いしますよ……って。それだけ。

 バリバラが突破口を作ったようなことを、ほかの番組とかメディアがもっとできたらいいなと思いますね。

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