3着の試着を終えた由希子さんの笑顔は、輝きで満ちあふれ、優しさの中に強い意思を秘めたオーラが漂い始めていました。試着後は毎回お茶をしながら、それぞれの服をどんな気持ちで着ていくべきかをレクチャーします。この時すべての女性にお願いするのが、

「その服を着た瞬間“女優スイッチ”も一緒に入れてください」

 ということ。つまり今回なら、好きな男性の前に立つ、愛される素敵な女性のイメージ。自分に“なりきり力”がなければ、どんな服も素敵になりません。

■男の人は相手の服装によって見方と態度が変わる

しぎはら:3パターンを選んだけど、実際に着てみてどうだった?

由希子さん:驚きの連続でした。鏡の中に見たことがない自分がいて、服を着てこんなに幸せな気分になるなんて。

しぎはら:最初に着た白いレースのワンピースを着ている人はどんな性格の人に見える? ドラマの中にこういう人が出てきたら、どんな役だと思う?

由希子さん:きっと明るくて清楚な女性、ですよね。

しぎはら:明るくて聡明で清楚な女性ね。女性がこういう格好しているのにB級グルメに連れて行く男性は、ちょっとセンスがない。男性向けの服装戦略の講義のときによく聞いていて実感するのですが、デートで女性が白のワンピースを着てきたら気分があがってエスコートしたくなるのが男性なの。服って上手に使うと相手をコントロールできるものなのよ。それだけ、白には強い力があるのよ。

 次に、2着目の淡いピンクのドレープワンピを着た由希子さんはどんな感じの人だと思う?

由希子さん:この人はなんか、元気で親しみやすそうな感じですよね。2軒目も付き合ってくれそう。

しぎはら:これをライバルだと思った子が合コンに着てきたらどう?

由希子さん:絶対嫌ですね。なんか負け感を覚えちゃう。

しぎはら:いい? これだけは覚えておいてね。どんなときも「この女の子には負けちゃう」って思われるようなものを選ぶのよ。それは、とても嫌な女に思えるかもしれないけど、自分が「負けた!」と思うものを持つというのは、逆に「これがあれば自信が持てる」ということの裏返しなのよ。

由希子さん:はい。今まで考えもしませんでした。それにあの淡いピンクのワンピースは上品なのに、変な危機感を覚えるんですよ……。

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