少し想像力をはたらかせてみよう。この記事を読んでいる人の中にも、ドナルド・トランプが、アメリカ大統領になったことに危機感を覚えている人は、少なからずいるはずだ。
日本でも、極端な主義主張を持った、悪い意味で型破りな人間が総理大臣になる可能性はある。その時にも、共謀罪があったほうがいいと思えるだろうか。
僕には、到底そうは思えない。
このままの状態で、共謀罪が成立に向けて進んでいくのだとすれば、それは将来に大きな不安の種を残すことになる。僕は、政府に都合が悪いからといって、言論や活動が弾圧されるような社会であってほしくはない。
当たり前に「戦後」だと思っていた社会が、また新たな「戦前」へと歩みを進めてしまうようなことは、何があっても避けたい。
危険性にきちんと目を向けて、真剣に議論をすべきだ。
そしてそれは、国会議員だけでなく、この社会に生きる全ての人々に、今問われていることだと思う。
みなさん、まず手始めに、金田法務大臣のこれまでの答弁を検索してみてください。そして原稿ばかりに目を向け、うつむきながら、答えにならない言葉を発している大臣の様子を見たら、どう思われるでしょうか……。(諏訪原健)