レスターのイングランド・プレミアリーグからの降格が現実味を帯びてきた。現地時間5日(以下現地時間)のマンチェスターU戦に敗れ、24節終了時で勝ち点21の16位。降格圏18位のハルと1ポイント差、最下位(20位)のサンダーランドと2ポイント差という危険水域に突入した。
当然のように、選手にも危機感が広がっている。GKのカスパー・シュマイケルが「我われは昨季王者だが、ここまでひどい状況が続いている。クラブの全員が今の状況を正しく理解しなければ、我われは降格してしまう」と訴えれば、クラウディオ・ラニエリ監督も、マンチェスターU戦の前日会見で解任の可能性があることを認めた。チームは、プレミアリーグで4連敗。暗闇の中を彷徨い続けている。
こうした現状を岡崎慎司はどのように捉えているのか。2試合ぶりの先発出場を果たしたが、前半だけで途中交代を命じられた。ハードワークと献身的な守備でチームに活力を注入することはできたが、攻撃面でインパクトを残せなかったことで、「ただただ情けない」と唇を噛んだ。チームは、プレミアリーグで5試合連続の無得点。FWとして責任を感じていた。
そして、チーム全体については、「降格争いをしていると精神的なダメージは大きい」と言う。その言葉の真意を次のように説明する。
「(リヤド・)マフレズのようにドリブルで勝負する選手なら、(昨季は)行き放題のような感じだった。取られても、『何回でも行け』みたいな。でも今は精神的なダメージが大きく、『次、行けばいい(=勝負すればいい)』という雰囲気にならない。気持ち的に乗れないからだと思います」
「昨季は、結果を出せばオッケーという雰囲気があった。特に、前線の選手は『一発、行けばいい』という感じだった。ディフェンス陣も、これまでなら『(守備で)我慢すれば勝てる』という強さがあったから、ちょっとやそっとじゃ精神的にブレなかった。でも今は、『これはヤバイ、ヤバイ』という感じで守備をしていると思う」
たしかに、異変は随所に見えた。昨季優勝の立役者だったマフレズは、まったくと言っていいほど存在感を示せず、CFのジェイミー・ヴァーディも、昨季の決定力がウソのようにしぼんでいる。守備陣に目を向けても、DFのロベルト・フートがルーズボールの目測を誤り、ヘンリク・ムヒタリアンに先制ゴールを許した。マンチェスターUに2点目を決められると、イレブン全員が下を向いてしまったのが印象的だった。