最終予選3試合連続ゴール中のFW原口元気(写真:Getty Images)
最終予選3試合連続ゴール中のFW原口元気(写真:Getty Images)

 11月4日、年内最後となる国際親善試合のオマーン戦(同11日)、ロシアW杯アジア最終予選のサウジアラビア戦(同15日)に向けた日本代表メンバー25人が発表された。

 「ヴァイッド・ハリルホジッチ(代表監督)の申し子」と言える選手になってきたのが、FW原口元気(ヘルタ・ベルリン)だろう。身体的にタフで、精神的にアグレッシブ。じっくり守って、猛烈な勢いで攻めに転じられる。攻守の切り替えの部分で、とりわけタイ戦、オーストラリア戦では指揮官の要望を満たしていた。もっとも、師弟は我を忘れやすい性格も似ているのか、原口はオーストラリア戦で不用意なPKも与えている。

 次に「ハリルの申し子」と言えるのが、MF山口蛍(セレッソ大阪)だ。中盤の安定という意味では、MF長谷部誠(フランクフルト)に頼りきり。インターセプトを狙うものの、前への意識が過剰で、守備均衡を崩す場面も少なくない。しかし、指揮官はその攻撃性(メンタルも含め、相手に挑んでいくプレー)を高く買っている。今回落選したMF大島僚太(川崎フロンターレ)、MF柏木陽介(浦和レッズ)と比較すると、山口が入ったときに攻撃陣が水を得ていたのも事実だろう。

 今回、ハリルホジッチにとって計算外は、FW小林悠(川崎フロンターレ)の怪我だったのではないか。小林はオーストラリア戦で右サイドに入り、前半はほぼ完璧な仕事を見せた。日本の攻撃陣に足りない高さも加えられ、最近は得点力が開花している印象があっただけに……。

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