ロンドン中心部のウォーレン・ストリート。オフィスビルが立ち並ぶ一角から裏通りに入ると、英3大ブックメーカーの一つ、コーラル社の賭博場がある。
店内に入ると、モニターを見つめる人々の「フ○ック!」「イエス!」といった叫び声が。ソファの前に3台並んだモニターの右はドッグレース、真ん中は競馬、左は五輪のサッカーが中継されていた――。
ブックメーカーはスポーツから選挙、ノーベル賞や王室スキャンダルまであらゆるイベントを対象にした賭け屋で、英国では合法。各社のインターネットサイトで、海外からも情報を見ることができる。
冒頭のコーラル社のサイトでロンドン五輪の各競技のオッズを調べると、世界から見た日本人選手の評価が見えてきた。
例えば、日本水泳界のエース・北島康介。「平泳ぎ200メートル」で単独トップではないものの、ダニエル・ジェルタ(ハンガリー)と並ぶ2.75倍のオッズで納得の1番人気(数字は7月28日現在。以下同)。やはり国際的にも高い評価を得ていることが分かる。同競技では若手の立石諒も4.5倍の3番人気。こちらも有力なメダル候補だ。
一方、意外に辛い評価だったのがサッカー女子「なでしこジャパン」。昨年のワールドカップを制した実績から当然、1番人気かと思いきや、オッズは2.75倍の米、3.5倍のブラジルに続く6.5倍で3番人気だった。国際サッカー連盟(FIFA)ランキングでも日本(3位) のほうがブラジル(5位)より上なのに、やはり「サッカーはブラジル」というイメージが強いのだろうか。
※週刊朝日 2012年8月10日号