政権交代から早3年。小沢一郎氏(70)らの集団離党後も、一人また一人と民主党を出ていく議員が後を絶たない。輿石東幹事長(76)も「政権が崩壊しかねない」とこぼすほど危機は深刻だ。なぜ民主党政権は失敗したのか。消費増税法案で対応が分かれた原口一博氏(53)、川内博史氏(50)、中村哲治氏(41)の3議員が、ここ3代の民主党政権を振り返った。

*  *  *

川内:3代の民主党政権を振り返ると、鳩山政権はよくやったと思います。閣僚にはまずまず、いいメンバーがそろっていました。農家の戸別所得補償や高校授業料の実質無償化もできた。予算の組み替えをいちばん大胆に実行したのも鳩山政権でした。その後はほとんどできず、どんどん悪くなっています。

原口:僕も同意見です。鳩山政権は、守旧派にとっては一刻も早くいなくなってもらいたい存在でしたから、ありとあらゆる抵抗がありました。

中村:鳩山政権で、党のナンバー2だった幹事長の小沢さんが入閣すべきでした。そこは、鳩山政権が反省すべき点だと思います。ただ、諸悪の根源は、菅直人前首相(65)が出した消費増税方針と、20年度までの財政健全化方針を定めた財政運営戦略です。経済状況がどんなに悪化しても、国債発行は44兆円以下に抑えるというルールが設けられたため、東日本大震災のときも、臨時増税を盛り込んだ復興基本方針ができてからじゃないと、本格的な復興予算となる補正予算が組めなかった。8カ月も復興が遅れたんです。しかも、菅さんは首相の座に居座り続け、時間だけが失われていった。それを引き継いだのが野田佳彦首相(55)です。

川内:野田さんは昨年の代表選で、消費税のしょの字も言わず、「どじょう」話だけをした。政策ではなく"生い立ち自慢"で首相になった人だから、評価のしようがない。消費大増税、TPP、原発再稼働、オスプレイ……。何一つ国民の心に沿っていない。一体どこを向いて政治をしようとしてるんですかね。

※週刊朝日 2012年8月3日号