この勢いは、日本チームに波紋のように広がっていく。女子100mバタフライ準決勝では、16歳の池江璃花子が予選で出した日本記録をさらに更新する、57秒05の3位で決勝に進出。
「予選は前半から飛び出して後半にバテてしまいましたので、準決勝は前半を少し抑えて、後半は全力でいくというプランを立てて、その通りに泳げました」(池江璃花子)
池江と同じく準決勝に臨んだ星奈津美は、決勝には進めなかったものの、58秒03の自己ベストを更新し、得意とする200mバタフライにつながる好結果を残す。
日本が誇る平泳ぎの伝統を引き継ぐ小関也朱篤は、予選で北島康介の日本記録にあと0秒01まで迫る好記録をマーク。準決勝では少し記録を落とすが、全体の4位で決勝に進出。「全員にメダルのチャンスがある。自分もそこに食い込みたい」と、明日の決勝に向けてメダル獲得に意欲満々だ。
『センターポールに日の丸を』。4年前に果たせなかったスローガンを早くも達成したトビウオジャパン。しかし、気が緩むような気配はない。期待された選手が、期待された結果を残し、若手は力強い泳ぎで勢いをつける日本記録を連発した。最高のスタートダッシュを切ったトビウオジャパンの快進撃は、まだ始まったばかりだ。(文・田坂友暁)