だが、意外な見どころは、パイロンヒットの後にある。
レースでパイロンヒットがあれば、当然すぐにパイロンを立て直さなければならない。そこで、破れたパイロン修復のため、すぐに専属のクルーがボートで駆けつける。
修復と言っても破れた部分を縫ったり、貼ったりするわけではなく、破れた個所から上をジッパーで丸ごと取り換える。作業はあっという間に終わり、再び空気を入れられたパイロンが立ち上がるまで、時間にして最短90秒と言われる早業だ。
もちろん、パイロットにとっては、パイロンヒットは是が非でも避けたいペナルティーだが、観客にとっては、その後の修復も含めて、レッドブルエアレースの醍醐味と言っていいだろう。
昨年の千葉のレースでは一度もパイロンヒットがなかっただけに、“日本初のパイロンヒット”が見られるかどうかも注目ポイントのひとつだ。
千葉のコースは、ほかの会場に比べて横に長い直線的な設定の高速コース。あるエアレース関係者は「F1で言えばモンツァのようなものだ」と、イタリアGPが行われる高速サーキットに重ね合わせる。