フランスのル・マン24時間レース、アメリカのインディ500と並んで世界三大レースのひとつに数えられているF1モナコGPの決勝レースが、いよいよ5月29日に行われる。一年を通してもっとも華やかで伝統のある一戦は、見る者だけでなく、戦うドライバーたちにとっても「モナコの1勝は、ほかのグランプリの3勝分の価値がある」と言われるほど、特別な舞台である。
そのモナコでいま、注目を集めているのがマックス・フェルスタッペン(レッドブル)である。その理由は、2週間前に行われたスペインGPを18歳227日で初優勝し、F1での史上最年少記録を更新したからだ。
元F1ドライバーのヨスを父に持つフェルスタッペンが生まれたのは、1997年。父親はまだF1の世界で戦っていた。しかし、チャンスに恵まれずに、父親は2003年限りで引退。そこから、父親による英才教育が始まり、フェルスタッペンの才能は瞬く間に開花。史上最年少の17歳でF1にデビューする。
だが、公道を運転するための一般運転免許を持たない少年のF1デビューに、多くの異論が投げかけられた。事態を重く見たF1を統括する国際自動車連盟(FIA)はその後、規約を変更。2016年からは18歳以上で自動車免許を持つことなど、条件を厳しくしなければならないほど、昨年のフェルスタッペンのF1デビューは内外に大きな衝撃を与えた。