モナコで6勝の最多勝を挙げているアイルトン・セナがモナコGPを始めて制したのは、1987年。デビュー4年目の27歳だった。セナに続く5勝を挙げているミハエル・シューマッハは25歳でモナコ初優勝を果たしたが、やはり約4年の歳月がかかっている。
直線区間がほとんどなく、コーナーが連続するモナコでは1周で48回、1レースで3744回ものシフトチェンジを強いられる。一般道を使用する路面にはマンホールや白線も残っており、通常のサーキットとはまったく異なるドライビングテクニックが必要となる。しかも、コースはガードレールに囲まれているため、一瞬のミスが命取りになる難コースだ。
そのモナコに前戦スペインGPで史上最年少優勝を果たしたフェルスタッペンが挑む。モナコでのF1史上最年少優勝は、2008年に勝利したルイス・ハミルトンの23歳139日。
フェルスタッペンの若さか、モナコの伝統かーー63回目のモナコGPはいつもとは違う緊張感が漂っている。
(文・尾張正博)