そんな雑音をフェルスタッペンは自らの走りで沈めた。デビュー2戦目で史上最年少入賞を果たすと、その後もコンスタントにポイントを獲得。シーズン終盤には6戦連続入賞を果たし、「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」、「アクション・オブ・ザ・イヤー」、「パーソナリティ・オブ・ザ・イヤー」を受賞したのである。
そのフェルスタッペンの走りに目をつけたのが、2010年から4連覇した経験を持つトップチームのレッドブル。フェルスタッペンが所属していたトロ・ロッソとは兄弟関係にあるレッドブルは、スペインGP直前にトロ・ロッソからフェルスタッペンをレッドブルに移籍させたのである。果たしてレッドブルの判断は的中する。レースは本命のメルセデスAMGの2台が同士討ちする幸運にも助けられたが、元王者のキミ・ライコネン(フェラーリ)との激戦を制したフェルスタッペンは、わずか18歳でF1の頂点に立ったのである。それは、同時に父親が成し遂げられなかったオランダ人として初のF1優勝でもあった。
次々とF1の記録を塗り替えていくフェルスタッペンが、今週末挑むのが、伝統の一戦、モナコGPだ。狭く曲がりくねったコースが特徴のモナコ市街地コースは、速さよりも経験が問われるサーキット。それは過去の勝者の顔ぶれと優勝したときの年齢を見ればわかる。